Fisher 25(フィッシャー25)

Fisher 25(フィッシャー25)

フィッシャーシリーズはダブルエンダーの古典的なクルージングヨット等して知られているが、シリーズ中最小のFisher 25はダブレンダーではなく、トランサムを備えたクルージングヨットだ。

Fisherのコックピットにないもの

ナウティキャットなどのある程度サイズの大きなモーターセーラーに乗っている人がFisherのコックピットに座ると、キョロキョロすることが多い。
それはコックピットにラットがないからである。もちろんティラーもない。
30フィート以下のヨットではラットではなくディンギーの様にティラーで操舵する船も多いが、パイロットハウスを備えたモーターセーラーでは必ずパイロットハウスにエンジンコントロールとラットが備わっている。
もちろん、このFisher 25もモーターセーラーとして当然のごとくパイロットハウスにラットはあるがコックピットには無い。
この艇のラダーはロングキールの下端からトランサム上部まで一体型のものがラダーポストで支えられて、よく見ると上部にはティラーを差し込んで固定する金具があるが、ラットで操舵できない時のエマーゲンシー用となっている。

参考諸元(造船時期・施主要望等で差異有り)

型名Fisher 25 (現行)
販売SOUTHERLY YACHT SERVICES
設計者
造船所Northshore shipyard
初艇進水1974年
建造数250以上
船殻形状ロングキール
重量4.57 トン
バラスト2.13 トン
バラスト比47 %
全長7.69 m
全幅2.85 m
喫水1.13 m
水面高NA
水線長6.40 m
ハルスピード6.1 ノット
排水量/水線長比494
エンジン27馬力 Beta
重量/馬力比169 kg
機走速度NA
リグスループ
参考セールエリア25.64 ㎡
燃料タンク151 ㍑
清水タンク151 ㍑
汚水タンクNA
ジェネレータNA
エアコンNA
備考
※ハルスピードについてはロングキール艇等の排水量型船型で用いられる、√水線長(ft)×1.34の概算値を記しています。実際の最高速は船型や排水量によっても異なり、機走時においては重量/馬力比が120kgを下回る場合はハルスピード以上(外国のサイトには15%増などのレポートもあるが詳細確認できず)の航行も可能となるようです。 ※「排水量/水線長比」は「D/L比」とも記され、本参考例では排水量(トン)を水線長(ft)の三乗で割った値の百万倍(10の6乗)を記しています。また、350以上を重排水量、300前後をやや重排水量、250を中排水量(以下はクルージングヨットには少ないので略)と言われています。 ※全長についてはメーカーサイト等に公表されているものを参考にしていますが、バウパルピットが含まれていない場合も多く、実測長とは異なるものとなります。

シングルハンドでテクニックが必要

ラットに手をかけながら片手でシートを引くなどは勿論出来ない訳で、シングルハンドでタッキングを繰り返して上っていくような状況を考えると、25フィートの艇体ではあるものの決してビギナー向けでは無い。
むしろベテラン向けの艇といえる。事実、外国でこの手のオーナーは年配の仕事をリタイアした人などが多く、海を知っている人が海を楽しむ船というのがFisher 25の位置づけだ。

25フィートととは思えない居住性

コックピットで操舵できない分、コックピットとパイロットハウスの間は引き戸1枚で仕切られ簡単に行き来できる様になっている。
パイロットハウスからキャビンへ降りるとポート側がこの字型ソファー、スターボード側はギャレーでパイロットハウス下に半分もぐるボンクとバウ寄りにヘッド、独立したバウキャビンにはVバースの構成となっている。

Fisher 25による英国BritainからフランスのBritanyへのクルージング

スタンにはクリートではなくクロスビットが備わっている

Thierry Gouelvanさんの動画からFisher 25 (1)

Thierry Gouelvanさんの動画からFisher 25 (2)

Thierry Gouelvanさんの動画からFisher 25 (3)

Thierry Gouelvanさんの動画からFisher 25 (4)

Thierry Gouelvanさんの動画からFisher 25 (5)

Thierry Gouelvanさんの動画からFisher 25 (6)Fisher専用なのかと思わせるマリーナ内部

Thierry Gouelvanさんの動画からFisher 25 (7)