フイッシャー37の外見の特徴は船尾とパイロットハウスの前窓
Nauticat(ナウティキャット)など多くのモーターセーラーのパイロットハウス前窓が自動車などと同じ傾斜なのに対し、フイッシャー37のパイロットハウス前窓は逆の傾斜である。自動車を見慣れている人には奇異に映るかも知れないが、商船を始めとした大型船た軍艦などの窓はこのフイッシャー37のパイロットハウス前窓と同じ自動車とは逆の傾斜である。
これは、前方からの反射や窓への映り込みを防ぐための措置で、船舶はその大きさに対して、速度上窓の形状による空気抵抗が問題にならないので、安全や操船し易さのためにこの形状がされている。
このため、フイッシャー37は大型艦船の好きな人には数少ない「大型船タイプの操舵席」を味わえるヨットとなっている。
ちなみに、モーターボートやヨットでこのタイプの前窓が余り採用されないのは、自動車と比べる一般ユーザーに受け止められやすくすることと、操縦席周りのレイアウトを自動車と同じようにでき、前窓内を広く使えるためらしい。
参考諸元(造船時期・施主要望等で差異有り)
型名 | Fisher 37 |
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販売 | SOUTHERLY YACHT SERVICES |
設計者 | Wyatt and Freeman |
造船所 | Northshore Yachts(UK) |
初艇進水 | 1973年 |
建造数 | 140以上 |
船殻形状 | ロングキール |
重量 | 14.224 トン |
バラスト | 4.99 トン |
バラスト比 | 35 % |
全長 | 11.33 m |
全幅 | 3.66 m |
喫水 | 1.6 m |
水面高 | NA m |
水線長 | 9.91 m |
ハルスピード | 7.6 ノット |
排水量/水線長比 | 414 |
エンジン | 100馬力Yanmar |
重量/馬力比 | 167 kg |
機走速度 | 9 ノット(巡航6~8 ノット) |
リグ | ケッチ / インナーフォアステイ有 |
参考セールエリア | 73.393㎡ |
燃料タンク | 379 ㍑ |
清水タンク | 379 ㍑ |
汚水タンク | NA ㍑ |
ジェネレータ | NA |
エアコン | NA |
備考 |
※「排水量/水線長比」は「D/L比」とも記され、本参考例では排水量(トン)を水線長(ft)の三乗で割った値の百万倍(10の6乗)を記しています。また、350以上を重排水量、300前後をやや重排水量、250を中排水量(以下はクルージングヨットには少ないので略)と言われています。
※全長についてはメーカーサイト等に公表されているものを参考にしていますが、バウパルピットが含まれていない場合も多く、実測長とは異なるものとなります。
希少なダブルエンダーのモーターセーラー
モーターセーラーの多くは船尾にトランサムがあるタイプで、両舷が船尾でつながっているダブルエンダータイプのモーターセーラーは以外に少ないので、クラシカルな船型を持ったFisherシリーズは貴重な存在だ。以下はSoutherly(サウザリ社)各艇のリンク
フィッシャー37 http://www.southerly.com/yachts/fisher/37/
このシリーズには37の他34や25がある。
フィッシャー34 http://www.southerly.com/yachts/fisher/34/
フィッシャー25 http://www.southerly.com/yachts/fisher/25/
また、過去には「Fisher Super 46」というより大きいモデルがあり、中古のタマ数が少ないため高値で取引されている。
1977 Fisher Super 46(ヨットワールドの中古艇情報)
9フィートの差だが、水線長40フィートとなり、内装も格段に豪華で操舵席の舵輪と相まって船好きには垂涎のモーターセーラーだ。