Fisher 46(幻のフィッシャー46)

Fisher 46(幻のフィッシャー46)

トラディショナルなブルワークとパイロットハウスにロングキールの組み合わせが特徴のFisherシリーズは建造された艇数も多く、世界中に同好クラブがありますが、その中でFisher 46は十数艇しか建造されなかったため幻の艇となっています。

初期のカタログに掲載されている

Fisherシリーズは造船所の変更やオーナーの移動などもあり、モールドも複数のものが各地に分散しているのもあるが、主シリーズは現在fisherboatcompanyとして生産が続いている。
このサイトに載っているFisherシリーズは25・34・37に加えてFisher28/29(新型)という構成でFisher25などをリニューアルする予告が載っているが、それ以外の艇についての記載はない。
しかし、 1976年当時のFisherシリーズのカタログを見ると、The Freeward 25・The Fisher 25・The Potter 25(作業船)・The Catfisher 28(カタマランクルーザー)・The Fisher 30・The Northeaster 30(サイドドア+アフトキャビン)・The Fisher 34・The Fisher 37[aftcockpit]・The Fisher 37[aftcabin](サイドドア+アフトキャビン)・があり、最後にThe Fisher 46が載っている。

参考諸元(造船時期・施主要望等で差異有り)

型名Fisher 46
販売SOUTHERLY YACHT SERVICES
設計者Wyatt & Freeman
造船所Fairways Marine
初艇進水1977 年
建造数16(2007年まで)
船殻形状ロングキール
重量25.4 トン
バラスト10 トン
バラスト比40 %
全長13.91m(バウスプリット含む例は15.60m等)
全幅4.6 m
喫水1.98 m
水面高NA
水線長12.2 m
ハルスピード8.5 ノット
排水量/水線長比354
エンジン140馬力 Ford 6.2L 2725e
重量/馬力比162 kg
機走速度9 ノット
リグケッチ / インナーフォアステイ有
参考セールエリア89.24 ㎡(メイン・ミズン・ジェノア)
燃料タンク1136 ㍑
清水タンク1136 ㍑
汚水タンク120 ㍑
ジェネレータMarkon 6500 VA, 230 V
エアコンNA
備考
※ハルスピードについてはロングキール艇等の排水量型船型で用いられる、√水線長(ft)×1.34の概算値を記しています。実際の最高速は船型や排水量によっても異なり、機走時においては重量/馬力比が120kgを下回る場合はハルスピード以上(外国のサイトには15%増などのレポートもあるが詳細確認できず)の航行も可能となるようです。 ※「排水量/水線長比」は「D/L比」とも記され、本参考例では排水量(トン)を水線長(ft)の三乗で割った値の百万倍(10の6乗)を記しています。また、350以上を重排水量、300前後をやや重排水量、250を中排水量(以下はクルージングヨットには少ないので略)と言われています。 ※全長についてはメーカーサイト等に公表されているものを参考にしていますが、バウパルピットが含まれていない場合も多く、実測長とは異なるものとなります。

Fisher シリーズとの違いはコックピット

Fisher 46がシリーズの他艇と異なるのはコックピットにラットがあること。
20、30フィートクラスと異なり46フィートとなるとパイロットハウスからコックピットまでヒョイと一跨ぎでは行けないのでパイロットハウス後スターボードサイドにラットが用意されている。
このため、シングルハンドで扱うには34や37よりも使い勝手がよく、ファイリングシステムと組み合わせれば熟年層にも扱いやすい船となっている。
球数が少ないため、Fisherマニアには垂涎の艇となっているが残念なことに、生産中止となってから、かなり年月が経っているため、程度の良いものが少ないので最初の動画で紹介したようなレストアが必要な場合が多い。
ちなみに、77年の艇だと18万ドル、2千万円程度で入手可能なようだ。
また、Fisher 46 MkⅡとして2007年製のスチール艇がhttp://www.ancasta.com/boats-for-sale/fisher-46-mkii-31013/にて36万5千ユーロで売りに出ている。 スペイン製のようでエンジンがPERKINS、ジェネがKohler、ウインチがHUTTON‥。清水タンクが250Lしかないと思ったらSeafresh(Cathelco)の造水器完備だ。7

アフトキャビン付き

Fisher 46の標準的なインテリアはパイロットハウスからメインキャビンに降りると、ポートサイドにアフトキャビンの通路があり、アフトキャビンには2人分のバースと独立したヘッドが備えられている。
メインキャビンはポートサイドにコの字型ギャレー、その前にゆったりとしたコの字型ソファー、スターボードサイドにのコの字型シートと向かいあうソファーがありギャレーも含めて広々としたメインサロンとなっている、さらに前には独立したバウキャビンがある。
特筆すべきはエンジンルームの広さであり、ジェネレーターは言うに及ばず、エアコンや温水器、さらには増水器やコンプレッサーなども配置可能だ。

レストア中のFisher 46

さすがに広いFisher 46の内部

売りに出ているFisher 46のインテリア