ハンスクリスチャンはまさに古き良き時代の帆船の面影を留めているトラディショナルなダブルエンダーのシリーズだ。
最小モデルにして重厚な帆船の存在感
シリーズの中で最小モデルとなるハンスクリスチャン33にあっても、チークデッキ周囲はチークキャップのついた全周ブルワークに囲まれ、そのブルワークにはムアリングホールが設けられている。
長く伸びたバウスプリットとロングキールのハルにケッチリグの組み合わせもバランスが良い。
さすがにコックピットは小さいが、ラット周りはコンパクトにまとめられているので、適当なドジャーを誂えればシングルやショートハンドにはむしろ最適のコックピットとなる。
参考諸元(造船時期・施主要望等で差異有り)
型名 | Hans Christian 33 |
販売 | Hans Christian Yachts |
設計者 | Harwood S. Ives |
造船所 | Pantawee Marine Ltd.他 |
初艇進水 | 1980 年 |
建造数 | 155 以上 |
船殻形状 | ロングキール |
重量 | 8.39 トン |
バラスト | 3.08 トン |
バラスト比 | 37 % |
全長 | 10.06 m |
全幅 | 3.53 m |
喫水 | 1.67 m |
水面高 | NA |
水線長 | 8.89 m |
ハルスピード | 7.2 ノット |
排水量/水線長比 | 338 |
エンジン | 30馬力 Yanmar 3QM30 |
重量/馬力比 | 280 kg |
機走速度 | 6 ノット(巡航5 ノット) |
リグ | カッター |
参考セールエリア | 56 ㎡ |
燃料タンク | 340 ㍑ |
清水タンク | 340 ㍑ |
汚水タンク | 114 ㍑ |
ジェネレータ | OP(3kw Westerbeke) |
エアコン | NA |
備考 | |
※ハルスピードについてはロングキール艇等の排水量型船型で用いられる、√水線長(ft)×1.34の概算値を記しています。実際の最高速は船型や排水量によっても異なり、機走時においては重量/馬力比が120kgを下回る場合はハルスピード以上(外国のサイトには15%増などのレポートもあるが詳細確認できず)の航行も可能となるようです。
※「排水量/水線長比」は「D/L比」とも記され、本参考例では排水量(トン)を水線長(ft)の三乗で割った値の百万倍(10の6乗)を記しています。また、350以上を重排水量、300前後をやや重排水量、250を中排水量(以下はクルージングヨットには少ないので略)と言われています。
※全長についてはメーカーサイト等に公表されているものを参考にしていますが、バウパルピットが含まれていない場合も多く、実測長とは異なるものとなります。
33フィートとは思えない広いキャビン
ハンスクリスチャン33の標準的なキャビンレイアウトは、ステップを置いたポート側にギャレーが用意され、その前にはテーブルを下げて簡易バースにもできるL字ソファーとスターボード側のベンチシート、さらにはダブルバースがバウよりのポート側に1つとスタンよりのスターボード側に1つ、そしてバウにヘッドルームがある配置だ。
バウにヘッドルームは好き嫌いの分かれるところだが、ヘッドと言う位で昔なら必ずバウにあったことを考えると、トラディショナルにこだわっていると言えるだろう。
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