Nauticat 33(ナウティキャット33)

Nauticat 33(ナウティキャット33)

ナウティキャット33はシングルまたは家族と一緒だが実質シングルハンドのクルージングに打って付けの艇だ。
同シリーズ最少サイズながら姉艇たちと同じく、バウからスターンまで全周チークハンドレール付きのパルピットが巡らされ、バウからパイロットハウスまでブルワークで足元が保護されている。

チークとニスのコンビネーション

ハンドレールやブルワークのチークキャップは洗い晒しの感触を楽しむも良し、好みのニスでテカテカに引き上げるも良しだ。
ハンドレールのジブセールのクリューが擦れて傷が‥‥などと考えてはいけない。
暇を見てはペーパーをかけてニスを塗るのもこの艇でしか味わえない楽しみのうちだ。
デッキ周りだけではなく、キャビンもチークをニスで仕上げてあり、温かみのあるインテリアとなっている。

参考諸元(造船時期・施主要望等で差異有り)

型名Nauticat 331 (現行)
販売Nauticat Yachts
設計者NA
造船所Nauticat Yachts
初艇進水1966 年(Nauticat 33)
建造数NA
船殻形状セミロングキール
重量8.3 トン
バラスト2.4 トン
バラスト比29 %
全長10.4 m(ハルのみ)
全幅3.4 m
喫水1.6 m(1.48m版も有)
水面高14.3 m
水線長8.6 m
ハルスピード7.1 ノット
排水量/水線長比370
エンジン75馬力(3200 rpm)Yanmar 4JH4-TE
重量/馬力比111 kg
機走速度8 ノット
リグケッチ
参考セールエリア52.7 ㎡(メイン・ミズン・ジェノア)
燃料タンク500 ㍑
清水タンク450 ㍑
汚水タンク80 ㍑
ジェネレータNA
エアコンNA
備考
※ハルスピードについてはロングキール艇等の排水量型船型で用いられる、√水線長(ft)×1.34の概算値を記しています。実際の最高速は船型や排水量によっても異なり、機走時においては重量/馬力比が120kgを下回る場合はハルスピード以上(外国のサイトには15%増などのレポートもあるが詳細確認できず)の航行も可能となるようです。
※「排水量/水線長比」は「D/L比」とも記され、本参考例では排水量(トン)を水線長(ft)の三乗で割った値の百万倍(10の6乗)を記しています。また、350以上を重排水量、300前後をやや重排水量、250を中排水量(以下はクルージングヨットには少ないので略)と言われています。
※全長についてはメーカーサイト等に公表されているものを参考にしていますが、バウパルピットが含まれていない場合も多く、実測長とは異なるものとなります。

このクラス最大のキャビン

ナウティキャット33の魅力はなんといってもキャビンの広さだ。
33フィートにして独立したバウキャビンとアフトキャビン、さらには、小さいながらも、スターボード側にギャレーとポート側にコの字シートとテーブルを備えたメインキャビン、そしてパイロットハウスの4つのエリアを備えている。
特筆すべきは、レイアウトによってバウキャビンとアフトキャビンの双方にヘッドを備えているモデルもあることだ。
この上のサイズでは標準レイアウトでも2ヘッドだがこのサイズで2ヘッドは驚きである。
さすがにナウティキャット36や44と比べるとシャワーが無いとかバウキャビンのVバースのポート側がヘッドのために短くなっているなどの違いと、メインキャビンのコの字シートはスケールダウンされているのでテーブルを下げてダブルバースとして使うのは少々無理である。

ロングキールのダブルエンダー

ナウティキャット33は36や44と異なり、昔ながらのダブルエンダーなのでトランサムが無い分アフトキャビンはスペース的にも配置が限られるが、パイロットハウス下部のエンジンで初の前後長を抑え、さらにはバースの一部がパイロットハウスのゲストシート下にもぐり込むような形にしてバース長を確保している。
さすがにアフトデッキはダブルエンダーと相まってかなり狭くなるが、シングルやショートハンドでは使い勝手は悪くないはずだ。
なお、ナウティキャット33はロングキールだが、331はセミロングキールにショートスケグ付きラダーの組み合わせとなっている。

ハルを標準のホワイトからロイヤルブルーに塗り替え、フロントウィンドウに旋回窓を取り付けたナウティキャット33、まさに操舵席の感が漂う。

1971年生のナウティキャット33のエンジンメンテナンスはカップリングを外してギアを取り去った後、パイロットハウスの天蓋からクレーンで吊り出して完全なオーバーホール、さらには木部をレストアして新造のようになっている。

1985年生ながら手入れの行き届いたティキャット33

カンヌへ行く途中のナウティキャット33、ドローンでしょうか?どうやって撮影したのでしょうか。