Nauticat 44(ナウティキャット44)

Nauticat 44(ナウティキャット44)

現在量産されている小型船舶範囲のプロダクションヨットでキャビンの出入り口がパイロットハウスサイドにあるのは、ナウティキャット3姉妹の44・38・33のトラディショナルモデルだけだろうだけだろう。

2種類のナウティキャットの違い

ナウティキャット44はナウティキャット3姉妹の1番大きなモデル、現在販売されている最新型はナウティキャット441となる。
、現在発売されているナウティキャットにはいくつかのモデルがあるが、大きく分けるとトラディショナルモデルと呼ばれるパイロットハウスの両サイドに出入り口がある331、38、441の3モデルと、パイロットハウスのスターン側に出入り口のある321から525までのモデルになる。
この2種類の使い勝手が異なることは当然だが、もう一つの大きな違いは、デザインカテゴリの違いだ。
海外のクルーザーははその対応する海況に応じて、カテゴリAからカテゴリDまでに分けられており、カテゴリAはオーシャン、カテゴリBはオフショア、Cはインショア、Dは内海・湖・平水域となる。
そして、ナウティキャットのパイロットハウスの両サイドに出入り口があるトラディショナルシリーズはカテゴリBであり、それ以外のシリーズは、カテゴリAとなる。

参考諸元(造船時期・施主要望等で差異有り)

型名Nauticat 441 (現行)
販売Nauticat Yachts
設計者Gustafsson/Aarnipalo
造船所Nauticat Yachts
初艇進水1974 年(Nauticat 44)
建造数NA
船殻形状ロングキール
重量16.5トン
バラスト5.5 トン
バラスト比33 %
全長14.79 m(バウスプリット含む/ハルは13.65m)
全幅3.75 m
喫水1.9 m
水面高17.5 m
水線長11.8 m
ハルスピード8.3 ノット
排水量/水線長比284
エンジン160馬力(3000 rpm)Yanmar 4LHA-HTP
重量/馬力比103 kg
機走速度9 ノット
リグケッチ / インナーフォアステイ有
参考セールエリア115 ㎡
燃料タンク840 ㍑
清水タンク620 ㍑
汚水タンク90 ㍑
ジェネレータOP
エアコンOP
備考
※ハルスピードについてはロングキール艇等の排水量型船型で用いられる、√水線長(ft)×1.34の概算値を記しています。実際の最高速は船型や排水量によっても異なり、機走時においては重量/馬力比が120kgを下回る場合はハルスピード以上(外国のサイトには15%増などのレポートもあるが詳細確認できず)の航行も可能となるようです。
※「排水量/水線長比」は「D/L比」とも記され、本参考例では排水量(トン)を水線長(ft)の三乗で割った値の百万倍(10の6乗)を記しています。また、350以上を重排水量、300前後をやや重排水量、250を中排水量(以下はクルージングヨットには少ないので略)と言われています。
※全長についてはメーカーサイト等に公表されているものを参考にしていますが、バウパルピットが含まれていない場合も多く、実測長とは異なるものとなります。

ナウティキャット44の使い方

331・38・441のトラディショナルシリーズは太平洋を渡るような外洋航海向けの船ではなく、近海(日本の場合は沿海かな)航域として使うことになる。
この船でハワイまで行こうという人は居ないと思うが、小笠原や沖縄を目指す船ではなく、沿岸津々浦々の港に寄りながら日本1周するような楽しみ方になるだろう。
ロングキールの船は保針性はいいが小回りがきかないので、狭い漁港槍付けした場合などは30フィート程度ならいざ知らず44フィートとなると、出港時にはバウスラスターが無いと苦労することになる。
こう言うと用途が限られるように感じるかもしれないが、この船の魅力はファミリーや友人でクルージングする時の船内環境の素晴らしさだ。
晴れた日にパイロットハウスの天井のハッチと両サイド戸を開けて、吹き抜ける潮風を楽しみながらのクルーズや、冬の雨の日に乾いたジャケットを着てパイロットハウスでラット握るのはこの艇ならでの楽しみ方だ。
さらには、シングルハンドやヨットに心得のないゲストとのクルージングでは、インナージブやメンスルをセルフタッキキングにしてのイージーセーリングや、海況が変わる前に機走全開で入港する使い方がベストだろう。

広いサロンが魅力のインテリア

ナウティキャット44-1番の魅力は開放的なパイロットハウスとギャレと繋がった広いメインサロンだ。
標準的なレイアウトではパイロットハウスから前方に降りたメインキャビンはポート側のギャレー含めると6畳以上の広さがあり、通路挟んだ両舷のシートと大きなテーブルは小さなパーティーにも向いている。
また、アフトキャビンはダブルバースの他に独立したシャワーとヘッドが付いている。 バウキャビンはVバースとなっているので、ゲストが多いときはメインキャビンのテーブルを下げてダブルバースとして使うことになる。
標準以外の仕様ではメインキャビンを2段バースの個室として使い、パイロットハウスに大きなテーブルを入れたモデルもあるが、スタボー側の出入口がシートで塞がれてしまうので、オペレーションは限定されるだろう。
ちなみに標準仕様ではパイロットハウスのラットは中央部分にあるが、パイロットハウスをメインサロンとするスペシャル仕様ではラットはスタボー側になる。

最新モデルのナウティキャット441は全長が伸びて水線船長が短くなった分バウが鋭角で水切りが良くなっているようだ。

ブローチングでスタボーのキャットウォークが波で洗われている様子、ドアを開けていればパイロットハウスにもスプレーが飛び込んでくること必至だ。

パイロットハウスがメインサロンとなるスペシャルインテリア仕様、大きめのスイムプラットホームとテンダーデビット完備。

フレアーの付いたバウはブルースとプラウの二丁アンカーのバウスプリットが付き、チークキャップ仕上げのブルワークがキャットウォークまで続く。

このクラスとなるとジェノアは大きいのでミドルエイジ以上のシングルハンドは難しくなる。

https://youtu.be/BEt1LeZF-Tk